11月 22, 2021
世界的な気候変動の影響で、エチオピアでも収穫時期や品質の予測が難しくなってきているようです。
昨年2020年は、主な産地では10月から収穫が始まりましたが、私たちが購入しているイルガチェフェなどの地域の収穫は、少し遅れて12月初旬からスタートとなりました。
そして、私たちが購入する品質ランクであるグレード1のサンプルのばらつきが予想以上に大きかったため、セレクションにも時間を要しました。
気候変動の影響だけでなく、パンデミックの影響はコーヒーの輸出に多くの混乱を招いていました。私たちのコーヒーも出荷準備が整ってからも、日本まで輸送するコンテナがすぐには見つかりませんでした。
コンテナの不足は深刻でした。
先に出荷準備が整ったコーヒーも、輸出の目処が立たずに動かないため、その後から精製プロセスに進むコーヒーも次のプロセスに進むことができずに、サイト(精製施設)も混乱しました。
港はカオス状態となり、船のスペース不足やいつものように突然変更されるコーヒーに対する規制など、さまざまな問題が現地では起こっていました。
パンデミックが巻き起こした混乱により、現地のエージェントは相当の苦労を経験した年になったようです。
そのような苦難に満ちた2020年を経験し、また新しい収穫のシーズンが始まろうとしています。
2021年のエチオピアでの雨季は例年に比べて雨量が少なく、チェリーの成熟度が均一になっているようです。これにより収穫量が上がり、品質も向上していると予想されます。
Yirgacheffeの低地やSidamo、West Arsiの一部では既に収穫が始まっています。
チェリーの価格は、昨年の同時期よりも高くなることが確実のようです。私たちが購入しているロットが栽培されている、標高の高い区画の収穫は、まだ2~4週間先になります。
遅くとも2月にはサンプルを手に入れ、選別を行うことになりそうです。エチオピアから届く来年のコーヒーも楽しみにしていてください。
最後に、ご存知の通りエチオピアでは、現在TPLF(ディグレ人民解放戦線)と現政府との衝突により、非常事態宣言が発令されています。
首都アディス・アベバは比較的平穏であるようですが、国内の交通網はセキュリティチェックのため制限され、生産地へのアクセスが困難も状況となっています。
80以上の異なる民族集団が存在する多民族国家ですので、簡単には問題は解決できないかもしれませんが、いち早い事態の収束を強く願うばかりです。
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