DANCHE / ETHIOPIA

DANCHE / ETHIOPIA

9月 08, 2025

ダンシェ/ エチオピア

Flavor profile for ESPRESSO ROAST:
Peach, Strawberry, Cacao, Black tea.
ピーチやストロベリーの果実味、カカオとブラックティーの余韻
Flavor profile for FILTER ROAST:
Strawberry, Peach, Aloe, Black tea, Cacao.
ストロベリーやモモの果実味、アロエや紅茶の風味。カカオの余韻。

生産国: Ethiopia (エチオピア)
産地 : SNNPR > Gedeo > Gedeb > Danche (南部諸民族州>ゲデオ>ゲデブ>ダンシェ)
精製所 : Danche Washing Station ( ダンシェ・ウォッシングステーション )
設立 : 2019年
生産者: 763の小規模農家
品種 : Dega, Wolisho (デガ、ウォリショ)
精製方法 : Natural
標高 : 1950 -2200 m a.s.l
収穫時期 : 2024-2025

ナチュラル精製がもたらすふくよかな液体の質感(ボディ)が、ピーチやストロベリーの果実の甘みの部分をより想起させます。果実味は新鮮なピーチやストロベリーのようで甘酸っぱく、飲み込む時、鼻にほのかな甘い香りが抜けていきます。
エスプレッソとして凝縮した状態で飲むと、カカオ含有量の高いチョコレートやカカオニブに近いフレーバーがより強く感じられ、チョコレートをコーティングしたフルーツのような印象に。余韻を紅茶のようなほのかな華やかさが優しく伸ばしてくれる、上品な印象のコーヒーに仕上がりました。
アメリカーノなど、少し希釈された状態で飲むとより紅茶や繊細な印象に変化していきます。

今年もダンシェ・ウォッシングステーションから、素晴らしいコーヒーが届きました。例年と同じように、このウォッシングステーションから複数のロットを買い付けました。まずはナチュラル精製のロットからお届けします。

ダンシェ・ウォッシングステーションとは、ステーション設立の翌年2020年から継続してコーヒーを買い付けています。当初は日本ではほとんど見かけることがありませんでしたが、その高い品質が評判を呼び、現在では日本の多くのロースターでも取り扱われるようになりました。

以前ジャーナルでもご紹介したように、農作物としてのコーヒーには表作と裏作があります。今年のエチオピアは表作にあたり、収穫量・品質ともに昨年を上回ることが期待されています。今年1月に現地を訪問した際、ウォッシングステーションのマネージャーであるFirehuh Ayakew氏もその期待を語ってくれました。

この時期の品質の高さは、コーヒーチェリーの成熟度を示しています。チェリーがゆっくりと養分を蓄えながら成熟することで、飲み物としてのコーヒーに上品で綺麗な酸味や甘さがもたらされます。すべてのコーヒーに果実らしい酸がはっきりと感じられるわけではありません。

今年のナチュラルロットは、例年以上に発酵感が抑えられ、クリーンな印象に仕上がっています。ナチュラル精製では、チェリーを果肉ごと乾燥させるため発酵が進みやすく、時として過度な発酵臭が生じることがあります。しかし過度な発酵感は、コーヒー本来の綺麗な酸味を覆い隠し、パンチが強すぎて飲み疲れしてしまいます。

私たちは、自然に飲み進められるバランスのとれたコーヒーを理想としています。今年のロットは、適切な発酵管理により、果実感のある華やかさを持ちながらも、透明感のある味わいを実現しています。そういった意味で、ダンシェ・ウォッシングステーションが手がけたナチュラル精製コーヒーの中で、今年は最高の出来といえるでしょう。

ダンシェ・ウォッシングステーションは950軒の小規模農家と契約を結び、コーヒーチェリーを買い付けています。契約農家すべてがウォッシングステーションのサポートのもとオーガニック認証を取得しているため、このステーションで生産されるコーヒーもすべてオーガニック認証を受けています。

時折、契約農家以外の生産者がチェリーを持ち込むこともありますが、それらは別のロットとして分けて精製されています。「収穫したチェリーを運ぶだけでも重労働。そうした生産者を無下にはできない」とFirehuh Ayakew氏は語ります。

環境への配慮として、精製後の水を浄化するためにベチバーグラスの植栽を始めており、周辺環境の保全にも積極的に取り組んでいます。これらの環境配慮型の取り組みは、Technoserveなどの NPOによる技術指導を受けながら実施されています。

このウォッシングステーションは、かつては周辺の170軒の農家から収穫期に毎日完熟チェリーを買い付けていましたが、現在では763軒の小規模農家が参画し、規模を拡大しています。農家たちのコーヒー栽培地は、バナナの木などによるシェードグロウンでセミフォレストの植生が密集しており、自然と調和した健全で有機的な栽培環境でコーヒーが育まれています。



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