
マリオ・モレーノは、ホンジュラス・サンタバーバラでコーヒーを育てる生産者です。50年以上コーヒー栽培をした父親ダニエルのもとで兄弟と一緒にコーヒー栽培を学んで育ちました。2004年に自分の農園を始めましたが、翌年、家族を養うために一度アメリカへ出稼ぎに。その間、奥さんが兄弟の助けを借りながら農園を守り続けました。2009年に帰国してからは、夫婦で少しずつ農園を広げ、今では4つの農園を営んでいます。
兄弟や従兄弟もそれぞれコーヒー農園を持っていて、モレーノ一家はこの地域を代表するコーヒー生産者です。ウェットミル*¹、アフリカンベッド*²、パラボリックドライヤー*³といった精製設備は家族で共同で建て、みんなで使っています。私たちは2016年からマリオのコーヒーを買い付けていましたが、パンデミックで一時中断することに。2025年に再び彼らを訪問して、取引を再開することができました。
後述するように、彼らのコーヒーは手作業で丁寧に選別されているため、雑味の少ない綺麗な液体です。派手な風味ではありませんが、飲み進めるにつれ、じんわりと様々な風味が顔をだす滋味深いコーヒーです。

マリオが暮らすサン・ホセ・デ・ロス・アンデスという町の近く、標高約1,650mにある4ヘクタールの小さな農園です。「ピエドラス・アマリージャス」はスペイン語で「黄色い石」という意味で、この区画に点在する黄色い岩が名前の由来になっています。
彼がコーヒーを栽培するサンタ・バーバラでは、農園は山に囲まれた急斜面に位置し、麓のヨアホ湖から涼しい空気が上ってきます。そのため、昼と夜の気温差が大きくなり、この環境がコーヒーチェリーをゆっくりと成熟させ、美しい酸味と凝縮した甘みを作ります。マリオはパカス種*⁴を中心に、ブルボン、ゲイシャ種を栽培しています。

収穫したコーヒーチェリーはその日のうちにパルピング*⁵(果肉除去)され、コンクリートタンクで24時間の水中発酵*⁶を経て、4回の水洗い。その後アフリカンベッドで予備乾燥しながら手作業で欠点豆*⁷を取り除き、最後にパラボリックドライヤーで約20日間かけてゆっくり乾燥させます。
収穫期になると家族が集まり、乾燥中のパーチメント*⁸を囲んで選別作業をするのがモレノ家の恒例行事。彼らのコーヒーを扱う輸出業者サン・ビセンテによると「届いた時点でドライミル*⁹での選別がほとんど必要ないほど丁寧」とのこと。家族総出の手仕事が、品質を支えています。

| *¹ ウェットミル | 収穫したチェリーの果肉を除去し、発酵・水洗いを行う施設 |
| *² アフリカンベッド | 網を張った高床式の乾燥台。風通しがよく均一に乾燥できる |
| *³ パラボリックドライヤー | ビニールハウス型の乾燥施設。雨を防ぎながら太陽熱で乾燥させる |
| *⁴ パカス種 | ブルボン種の自然変異種。エルサルバドル発祥で中米に広く普及 |
| *⁵ パルピング | 機械でコーヒーチェリーの果肉を取り除く工程 |
| *⁶ 水中発酵 | 水に浸けて発酵させることで、種子に残った粘液質(ミューシレージ)を分解する |
| *⁷ 欠点豆 | 未熟、過熟、虫食いなど品質に問題のある豆 |
| *⁸ パーチメント | 果肉と粘液質を除去した後の、内果皮に包まれた状態の豆 |
| *⁹ ドライミル | 乾燥後のパーチメントを脱穀し、サイズや欠点で選別する施設 |
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