生産国: Honduras ( ホンジュラス )
生産者:Marysabel Caballero & Moises Herrera ( マリザベル・カバジェロ&モイセス・エレラ )
地域 : Marcala > Chinacla (マルカラ > チナクラ )
農園 : LAS LOMAS (ラス・ロマス)
品種 : Catuai ( カトゥアイ )
精製方法 : Washed
標高 : 1580masl
収穫時期 : 2025
Marysabel CaballeroとMoises Herrera(以下マリサベルとモイセス夫妻)は、ホンジュラスを代表するコーヒー生産者として知られています。コーヒー農家に生まれたMarysabelは、国外の大学で学んだ後、コーヒー農園で過ごした幼少期が忘れられず、父親の反対を押し切ってコーヒー生産の世界に戻りました。一方、グアテマラ出身のMoisesは仕事でホンジュラスに赴任し、産地調査のため訪れたChinaclaの地でMarysabelと運命的な出会いを果たします。結婚後、彼女の父から土地を受け継ぎ、二人でコーヒー栽培を始めました。私たちFuglenとの縁は2016年、二人が渋谷の焙煎所を訪れた時から生まれました。 マリサベルとモイセス夫妻が所有する農園は大きく分けてChinacla,Santa Ana, San Jose, Mogolaの4つのエリアに点在しており、農園の数は現在57に上ります。コーヒー生産者として農園で栽培を行いながら、夫妻はウェットミルとドライミルも運営しており、コーヒーの生産プロセスを一気通貫して行っています。
精製プロセスでは、デパルピング後、ペナゴス・アクア・パルパーでミューシレージを除去し、12時間のタンク発酵を経て、ウォッシングチャネルで選別を行います。その後、パーチメントは約12時間の水浸しを経て、高床式のアフリカンベッドで14日間乾燥させます。近年は設備投資により、重さと色による選別を組み合わせた新しい選別システムを導入し、より効率的な工程と水資源の節約を実現しています。
彼らがコーヒーを生産する地域では、降雨量と湿度の関係で、コーヒーを安定して乾燥させることが非常に難しいそうです。そのためMoisesは、ドライミルの中に段階的にメカニカルドライヤーを導入し、天候に左右されずに安定した乾燥工程を行うための取り組みに力を入れています。現在、この巨大なドライヤーはミル内に5台あり、特に大きなロットはこのドライヤーで乾燥工程が行われています。マイクロロットも、2週間から1ヶ月の乾燥工程の最後に水分を調整するために、ドライヤーで乾燥させることもあるそうです。一般的に、コーヒーの乾燥工程は温度が高くなって乾燥時間が短くなると、豆の内部の胚芽が破壊されてしまいます。その結果、端的に言えば、風味が良好な状態が長く続かなくなります。ゆっくりと確実に乾燥されながら水分が飛んでいくことが、コーヒーの味わいが長持ちする期間(シェルフライフ)を伸ばしてくれます。Moisesは、ドライヤーを使用して安定したシェルフライフを達成するために、何度も挑戦しながらプロファイル作成を行ったそうです。
農園管理では、土壌の健康状態に特に注力しています。牛や鶏の糞とコーヒーチェリーの果肉を混ぜた有機肥料を主体に使用し、農学者と協力してコーヒーツリーの栄養状態を管理しています。また、オレンジやアボカド、バナナなどの果樹を植えることで、生物多様性の維持と日陰の確保を行っています。
収穫では、完熟したチェリーとそれ以外を分別する二重バッグシステムを採用。完熟したチェリーのみを収穫する技術に対して、平均以上の賃金を支払っています。収穫されたチェリーは毎日回収され、重量に応じて報酬が支払われます。
このような一貫した品質管理の取り組みは、2016年と2018年のカップ・オブ・エクセレンス・ホンジュラスでの1位受賞という結果にも表れています。キャバレロ夫妻は常にロースターやインポーターの要望に耳を傾け、新しい精製方法の導入など、品質向上への取り組みを続けています。