Marysabel Caballero y Moises Herrera / Honduras

Marysabel Caballero y Moises Herrera / Honduras

12月 03, 2025

Marysabel Caballero y Moises Herrera / ホンジュラス

El Pantanal (エル・パンタナル)
Apple, Grapefruits, Green tea, Almond.
リンゴやグレープフルーツの果実味、緑茶の風味、アーモンドの甘さ。
Naranjos (ナランホス)
Cranberry, Navel orange, Prune, Brown sugar.
クランベリーやネーブルオレンジ、プルーンの果実味、黒糖の甘さ。
La Tina (ラ・ティナ)
Tangerine, Floral, Lemongrass, Milk chocolate.
みかんの果実味、フローラル、レモングラスの風味、ミルクチョコレートの甘さ。

生産者:Marysabel Caballero & Moises Herrera ( マリザベル・カバジェロ&モイセス・エレラ )
地域 : Marcala  (マルカラ )
精製方法 : Washed
標高 : 1600 m a.s.l
収穫時期 : 2025

今季のクリスマスコーヒーは、私たちが敬愛するMarysabel CaballeroとMoises Herreraが手がけた、ホンジュラス・Marcala地域の3つの農園から届く特別なコーヒーです。
彼らとの出会いは9年前、2016年に遡ります。当時、二人が渋谷にあった焙煎所を訪ねてくれたことが始まりでした。翌年には取り扱いを開始し、農園への訪問も快く受け入れてくれました。以来、彼らのコーヒーを飲むたびに二人の顔が浮かび、会うたびに有り難みが増していきます。
Marysabelはコーヒー農家に生まれ、海外の大学で学んだ後も幼少期を過ごした農園が忘れられず、父親の反対を押し切ってコーヒー生産の世界に戻りました。一方、グアテマラ出身のMoisesは仕事でホンジュラスに赴任し、産地調査で訪れたChinaclaの地で彼女と運命的に出会います。結婚後、Marysabelの父Don Fabioから土地を受け継ぎ、二人でコーヒー栽培を始めました。Don Fabioはホンジュラスの高品質コーヒー生産の先駆者として知られており、その精神は娘夫婦にしっかりと受け継がれています。
現在、二人は4つのエリアに点在する約200ヘクタールの土地で57の農園を管理し、2016年のカップ・オブ・エクセレンス・ホンジュラスで1位を獲得しています。栽培から精製、輸出まで一貫して自分たちで行うことで、細部まで目の届く品質管理を実現しています。

今年3月、一年を締めくくる特別なコーヒーを選ぶために彼らの農園を訪れました。標高の異なる複数の区画を巡りながら、二人が日々向き合っているコーヒー栽培の現場を目の当たりにしました。森の中に昔からあったかのような佇まいの農園を歩きながら、Moisesが語ってくれたのは「土地を元の姿に戻すこと」という哲学でした。多様な植物や動物が暮らす森は傷ついても自力で回復する。でもコーヒーだけが植えられた土地は、循環がないから自分の力では回復できない。だからこそ農園を囲む生態系を整え、自然な形に戻していく取り組みに力を入れているのだと話してくれました。
収穫時に使う二重バッグシステムも印象的でした。ピッカーたちは2つのバッグを持ち、一つは完熟したチェリー専用、もう一つは過熟や未熟なチェリー用。完熟したチェリーだけを選ぶ技術に対して、平均以上の賃金を支払っています。精製施設も塵ひとつないほど清潔に保たれており、1日の作業が終わると必ず全ての設備が清掃されます。奇をてらった発酵や特別な設備ではなく、基本に忠実な丁寧な作業こそが高品質なコーヒーを生み出している。その徹底ぶりに深く感銘を受けました。

訪問の際、彼らが栽培する多様な味わいをもっと多くの方に紹介したいという想いから、マイクロロットの取り扱いを相談したところ、快く承諾してくれました。今回お届けする新しい二つのコーヒーは、FUGLENにとって初めての取り扱いです。クリスマスという特別な季節にふさわしい、選りすぐりのコーヒーを揃えることができました。

一つ目は、最も長い付き合いのあるEl Pantanal農園のCatuai品種。El Pantanalは「湿地」を意味し、かつては冬になると水が溜まってぬかるむため、コーヒー栽培には向かないと考えられていました。でも今では素晴らしいコーヒーが育っています。2017年以来の定番区画で、毎年最初の一杯を飲む時には懐かしい友人に再会したような温かさがあります。産地でカッピングした時、普段感じていたドライフルーツのニュアンスとは違って、フレッシュで少しハーバルな酸味が印象的でした。ジューシーな果汁や華やかな紅茶を思わせる、軽やかで柔らかな甘さ。冬の朝、心を穏やかにしてくれるような一杯です。

二つ目は、La Tina農園のJava品種。インドネシア原産のこの品種は、複雑で奥行きのある味わいが魅力です。みかんやレモングラス、わずかにゲイシャを思わせるようなキャラクターで、冷めていく過程でいろんな表情を見せてくれます。暖炉の前でゆっくり本のページをめくるように、時間をかけて楽しみたいコーヒーです。

三つ目は、Naranjos農園のSL品種。ケニアで育種された高品質な品種で、明瞭な酸と透明感のある味わいが際立ちます。ベリーやオレンジ、黒糖を思わせる濃厚なキャラクターと、鮮やかな酸味。クリスマスの朝、冬の澄んだ空気の中で飲む一杯として、一日の始まりを鮮やかに彩ってくれます。

焙煎所に届いた麻袋を開けると、いつもコーヒーの粒が揃っていることに驚かされます。初めてEl Pantanalの袋を開けた時も、焙煎する前からこんなに綺麗な状態なのかと感動したことを鮮明に覚えています。収穫から精製、選別まで、全ての工程が高いレベルで管理されている証です。
同じMarcala地域で育ちながら、それぞれ違う区画にあって、品種も異なることから、3つの味わいは大きく個性を持っています。でもどこか共通するトーンがある。それはこの土地のテロワールと、二人の丁寧なコーヒー作りによるものなのでしょう。3つのコーヒーを飲み比べる楽しみは、クリスマスならではの贅沢な時間です。
彼らは私たちのヒーローです。そして彼らが作り出すコーヒーには、その努力と哲学がぎゅっと詰まっています。9年という時間の中で築いてきた信頼関係から生まれたこの3つのコーヒーは、年の瀬の特別な時間にぴったりの贈り物です。
大切な人と過ごす穏やかなクリスマスの午後に。あるいは一年を静かに振り返る、新年を迎える前の静かな夜に。このクリスマスコーヒーが、あなたの特別な時間にそっと寄り添えたら嬉しいです。マイクロロットのため仕入れが少なく、今年はクリスマスセットでのみの販売となります。この季節だけの、特別な出会いをお楽しみください。



【年末年始の配送について】

年末年始期間のオンラインストアの受注・出荷スケジュールは、下記の通りとなります。

12月28日(日):年内最終受注
12月29日(月):年内最終出荷


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お届けまで通常よりお時間を要する可能性が高くなります。
あらかじめご了承のうえご注文いただきますようお願いいたします。

年始の出荷は、1月5日(月)週 より順次再開いたします。

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