ヨナル・フェルナンデス / ペルー
農園は家族経営ですが、収穫期にはピッカーの手を借りて収穫を行います。コーヒーチェリーが熟す、収穫に最適なタイミングで作業を行うには、家族以外にも多くの人手が必要なためです。
収穫期には、チェリーは朝早くに手作業で摘まれ、収穫後すぐに水の中で浮遊させます。過熟や欠陥のあるチェリーは密度が低く軽いため水面に浮き上がってきます。この段階で品質の低いものを除去します。
翌日の早朝に、生産者は機械式のデパルパーを用いて果皮と果肉をパーチメントから取り除きます。その後、袋や小さなタンクで約24時間かけて発酵させミューシレージを分解・除去します。ペルーではほとんどの生産者が、収穫から果肉除去、発酵、そして乾燥までの全工程を所有する農園内で行います。
フェルナンデス一家も農園内にあるベネフィシオで、小型のパルパーや木製タンク、またはコンクリート製の発酵タンクを使用して精製作業を行っています。
小規模生産者は通常最低限の精製設備しか持っていないため、コーヒーを乾燥させる際にアフリカンベッドを使用する生産者は稀です。
多くの生産者が日陰の場所で地面にビニールシートを敷いて地面で乾燥させるか、ポリプロピレン製の小さなテントを使って乾燥させます。
およそ12〜25日かけて、水分値が9〜11%になるまで乾燥させます。恵まれた設備がなくとも、正確で丁寧な精製が行われればコーヒーは本来持つ高いポテンシャルを発揮します。
私たちは昨年フェルナンデス一家の農園を、ヨナルの妹であるメルシーと訪問しました。コーヒーツリーが植えられている土地は、勾配が激しく、上り下りをするのが非常に難しい場所でした。収穫期にこの斜面で作業することを想像すると、非常にタフな作業であることが想像できます。
素晴らしいコーヒーの裏側にはフェルナンデス一家の多大な努力が感じられます。