AA GATOMBOYA / KENYA

3月 29, 2024

AA Gatomboya / ケニア

Flavor Profile :
Red currant,Raspberry,Assam tea, Cane sugar.
レッドカラントやラズベリーの果実味。
アッサムティーのような風味・質感に、きび砂糖のような柔らかい甘さ。

生産国：Kenya ( ケニア )
精製所：Gatomboya Factory ( ガトンボヤ・ファクトリー)
生産者組合：Barichu *Farmers Cooperatibe Society (バリチュ生産者組合)
*文中はFCSと表記します。

ファクトリーにチェリーを届ける生産者：約600の小規模農家
産地：Nyeri ( ニエリ)
品種：Batian, SL-34, Ruiru 11, SL- 28
精製方法：Washed
標高：1800ml
収穫時期：2022-2023

ケニアらしいレッドカラントやベリーの果実の風味を持ちながらも、紅茶のような柔らかな印象や落ち着いた甘い余韻も感じられるコーヒーです。

ガトンボヤファクトリー ( 生豆の精製施設 )は、ケニア中部のニエリに位置するバリチュFCS に属しています。ニエリはケニアを代表する複雑で力強い味わいのコーヒー生産地域として知られています。
「ガトンボヤ」はキクユ語で「湿地」を意味する言葉で、湿地性の土地がコーヒー栽培に適していることを示しています。

このファクトリーでは、周辺約600の小規模農家からコーヒー生豆が集められ、年間で約350トンの生豆を生産しています。これらの農家は平均0.4ヘクタールの土地でコーヒーを栽培し、収穫した生豆をこの施設に持ち込んでいます。ちなみに、ケニア全土では約70万世帯の小規模農家がおり、ケニア産コーヒーの55%を生産しています。

この一帯の年間降水量は約1400mmで、気温は14度から25度の範囲です。ケニア山麓の火山性土壌は「ニトソル」と呼ばれ、火山岩由来の肥沃な土壌で、他の熱帯地域の土壌よりもコーヒー栽培に適しているとされています。コーヒーの開花期は2-3月、主な収穫期は10-12月です。収穫されたコーヒーは1-4月の期間に主に取引されます。

ケニアでは世界最高品質のウォッシュド精製によるコーヒー生産が行われており、最高品質のコーヒーでは乾燥前に生豆を新鮮な水に浸す「ソーキング」工程が加えられるのがケニアならではの特徴です。発酵や精製工程では、ガトンボヤ川から引かれた新鮮な水が使用されています。

収穫された生豆は、精製前に人の手で未熟豆や過熟豆を取り除かれます。Aグレードのディスクパルパーを使い果肉を除去し、密度によって3つのグレードに分類されます。グレード1と2は別々に発酵(ミューシレージ除去)工程に進み、16-24時間かけて日陰で発酵されます。その後、洗浄チャネルで密度選別と水洗いが行われます。

次に、パーチメントをガトンボヤ川の新鮮な水に16-18時間浸す「ソーキング」工程が行われます。ソーキング後は一時的にヘシアンメッシュの上で乾燥させ、翌日からアフリカンベッド(伝統的な乾燥台)で12-20日間天日乾燥されます。アフリカンベッドは通常ジュート布やワイヤーメッシュで覆われています。
乾燥中は昼夜でプラスチックシートで被覆し、最長21日間乾燥が続けられます。

ドライミル(乾燥施設)では、パーチメントの除去、厳しい選別、最終的なパッケージングが行われます。ケニアのドライミルは効率的で高い水準にあると評価されています。ミルでは単一のウォッシングステーションから届く全てのコーヒーがグレード分けされるため、各商品の品質をカッピングで確認することができます。選別工程に問題がありそうな場合は再度処理を行うこともできます。

ケニアのコーヒーマーケティングシステムの長所は、全てのコーヒーが適切にグレード分けされ、直接取引の場合は生産者がオークション価格より高い値段で販売できる点にあります。システムは透明性が高く、コーヒー売り上げから差し引かれるコストを確認できます。真摯に取り組む協同組合は、より多くの生産高を目指し、生産者への報酬を最大90%まで高めるよう努力しています。