3月にラボにてカッピングしたケニアのセレクションの中から、今年は2種類のコーヒーを購入しました。
9月頃に皆さんにお届けできそうです。
新着情報として、今回はノルディックアプローチのコーヒーバイヤーで、東アフリカ担当エージェントAlexanderのケニアに関する記事を日本語に訳しましたのでご覧ください。
私がケニアのコーヒーを飲んだ時、それはブラックカラントジュースのようで、コーヒーには全く思えない味でした。
そしてそれは多くの人がケニアのコーヒーに求めている風味ですが、それが消えようとしています。
Coffee Berry Disease
昨年11月にケニアを訪れた時、生産者の厳しい状況を目の当たりにしました。
多雨や冷たい気候によって発生したCoffee Berry Diseaseの影響により、生産高は60%から80%の減産を見込まれていました。それでもほとんどの生産者は、早い段階で銅スプレーなどによる病気への対策を行い、減産を最小限に抑えようとしていました。また、いくつかの生産者は増産に繋がることも予想されています。
しかし、こういった適切な対応による良いニュースと同時に、CBDはケニアのコーヒーの風味にも影響を与えてしまう事も受け入れなければならないようです。
ブラックカラントやブラックベリー、ブルーベリーなどの風味に出会うことはまだまだ可能ですが、だんだんと難しくなっていきます。最近では、レモンやレッドベリー、アップル、フローラルな風味をより感じることが多くなりました。土壌の状態の変化、気温の変化やそのほかの不確定要素がこうした風味の変化の要因になっているようです。
その中で、CBDに耐性のある交配種Ruiruがその解決策の一つとして注目されています。Ruiruは生産量も高く、CBDが流行するエリアでは、このRuiruに切り替えることが得策ですが、カップクオリティへの影響が懸念されます。
激しい酸味を和らげるためには
ホンジュラスではパライネマ種の尖った酸味を和らげるために、発酵工程を長くしたり、パンチのある酸味をバランス良くし、甘さを増幅させるナチュラルプロセスの実験を行なっています。ケニアの生産者も、尖っていく酸味の問題を解決するべく、ホンジュラスのコーヒーコミュニティのこのような取り組みを参考にしています。
もう一つの対策は、Ruiruの樹を強い根を持つSL28に移植する事も現在行われていて、数年後にはこのタイプのコーヒーが通常のRuiruと分けた結果を見ることが可能になります。
このような収穫量増加、維持への対策よるRuiruがケニアに広がっていく過程で、同じような力強いブラックカラントジュースへの想いは夢の彼方へ沈んでいくことは、避け難いかもしれません。
それでもフレッシュアップルやベリー系、柑橘系の風味のコーヒーへの変化が始まったことは、それはそれで素晴らしく、エレガントで味に層があり、新鮮な果実味の風味は私たちが好きな風味であることは変わりません。
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