こんにちは。フグレン参宮橋店ストアマネージャーの神原です。
参宮橋店がオープンした当初から、ともに歩んできたコーヒー農園があります。
名前は「ADA FARM」
今回はADA FARMについてお話しさせてください。

ADA FARMは、やんばるの山奥、国頭村安田にある農園です。徳田泰二郎さんと優子さん夫妻が運営し、オーガニックスペシャルティコーヒーの生産を行っています。ADA FARMでは、森林農法を意識しながらも、人の手がしっかりと入れられる、管理の行き届いた有機農法を実践しています。農園は常に変化し、沖縄独特の気候や環境によって毎年異なる味わいのコーヒーが生まれます。コーヒーの他に、養蜂や胡椒の栽培もされています。
フグレンが初めてADA FARMのコーヒーを取り扱わせていただいたのは2024年のことで、お客様からの反応も大変大きなものでした。昨年は天候不良の影響で収穫量が大きく減少し、取り扱うことができませんでしたが、バイヤーの農園訪問やスタッフとのオンライン交流会などを通して、継続的にコミュニケーションを取り続けて来ました。
今回、私は初めて農園を訪問し、お二人に直接お話しを伺う機会をいただきました。

訪問させていただいたのは4月の末頃でしたが、沖縄の気温はすでに30℃近くありました。空港に降り立った瞬間、少し早い夏の匂いを感じたことを覚えています。空港から車を3時間ほど走らせた先に農園があります。道中、海岸沿いの道をひたすらまっすぐ進みました。少し湿度を含んだ、沖縄の南国の風を感じられました。


農園が近づくにつれ一気に景色が変わっていきました。木々は生い茂り、今まで平坦だった道も、山道のような勾配になってきました。いよいよお二人に会える!という気持ちで胸が高鳴ります。
そしてついに到着。初めてコーヒーの生産者に会うということで、私はとても緊張していたのですが、到着してすぐ出迎えて下さったお二人の笑顔は、その緊張をふっと和らげてくれました。

農園に到着して少しお話をしたあと、お二人の育てるコーヒー豆について教えていただきました。今回FUGLENで取り扱う予定のADA FARMのコーヒーには、異なる精製方法が用いられています。
一つは「No.3」。
もう一つは「Akatiti」。
どちらにも共通しているのは、土地の味をありのまま表現しようとする姿勢です。
No.3はいわゆるナチュラルプロセスによって作られています。収穫されたコーヒーチェリーはパック詰めされ、密閉された状態から、自らの力で嫌気の状態まで発酵が進められます。徳田さん夫妻が大切にしているのは、発酵をコントロールしすぎないこと。自然に始まる変化を観察しながら、コーヒーが向かう方向を見極めていきます。発酵中は、泡の形状や色の変化、チェリーの状態など、複数の要素を細かく確認します。「豆が行きたい場所はどこかを聞く」という泰二郎さんの言葉が印象的でした。
Akatitiは沖縄の方言で「夜明け」を意味する言葉から名付けられています。このコーヒーでは、パルプドナチュラルに近い精製方法が採用されています。ただ、その方法はとても独特です。収穫した豆を比重選別しパルパーにかけた後、果皮とパーチメントの分別はせずに、揉み込んでいきます。ミューシレージは酵素の力により発酵し、重く粘りのある状態になります。最終的にはコーヒーチェリーピューレのような状態になるとのことです。
徳田さん夫妻が大切にしているのは、「果実を完全に分離することはもったいない」という考え方。コーヒーの個性を、余すことなく楽しんでほしいという思いがあります。乾燥には負圧式低温乾燥機を使用し、時間をかけながらゆっくりと水分を抜いていきます。仕上がりを均一にするため、一晩中つきっきりで豆の位置を変える作業が必要だそうです。
また、最後はお二人自らの手で生豆とカスカラ(コーヒーの果肉や皮)に分別していきます。出荷の直前まで、惜しまず手間暇を加えられています。
コーヒーにまつわるお話だけでなく、安田での暮らしのことや、これからの沖縄コーヒーのことなど、たくさんのことを話していただきました。興味深い話ばかりで、時間が過ぎるのが本当にあっという間でした。


日が少し傾いた頃から、農園を案内していただきました。一昨年までは限りなく自然農法に近い形でコーヒーを栽培していたお二人でしたが、昨年は大規模なツリーの伐採を行い、コーヒー栽培に適した環境作りにシフトしました。
「全然違う場所になった」
優子さんがそう話していたように、各区画は防風林によって明確に分けられ、それぞれの区画ごとに環境整備が行われていました。現在は剪定しきれていない樹木へアプローチするために、ロープを使用して高所へ登るための練習も行っているとのことでした。
昨年からコーヒーツリーには、カットバック、剪定、接木といった積極的なアプローチを実施しているとのことです。泰二郎さんは「攻撃的な」という言葉を用いており、今までは行っていなかったアプローチをすることに対して、挑戦的な思いをもって取り組まれていることが伺えました。
古木を抜いた土地には、新たにゲイシャ種の苗木が植えられていました。まだ40cmから1mほどの若い木々でしたが、新しい未来へ向かって成長していく力強さを感じる姿でした。農園を案内していただいた後も、暗くなるまでお二人にお話を伺いました。短い時間でしたが、お二人から多くのことを学ばせていただきました。


ADA FARMのコーヒーの価値は、「沖縄で作られた珍しいコーヒー」であることだけではありません。希少性や背景の物語だけではなく、私たちの大切なパートナーが、安田という土地に真っ直ぐ向き合い育て上げた、純粋な美味しいコーヒーであるということ。それこそが、このコーヒーが持つ最も大切な価値だと感じました。
「ここで感じたことをそのまま伝えてほしい」という泰二郎さんの言葉通り、この土地の味をそのままお届けすること。それが、私がバリスタとして行うべきことだと感じています。
2026年のADA FARMの収穫を皆さんと分かち合うため、7月17日(金)、18日(土)にADA FARMのコーヒーを提供させていただく機会をご用意しました。
やんばるの山奥、国頭村安田の一年を、コーヒーとともに共有できればと思っています。
皆さまのご来店をお待ちしております。
安田珈琲 2026
開催日:2026年7月17日(金)、7月18日(土)
場所:FUGLEN 参宮橋店
ギフト用送り状
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