Jose Benigno Dominguez / Honduras

Jose Benigno Dominguez / Honduras

March 31, 2025

 ホセ・ベニーノ・ドミンゲス / ホンジュラス

Flavor profile:
Stone fruits, Apple tea, Syrupy, Cane sugar.
ストーンフルーツの柔らかい果実味、アップルティーの風味、シロップのような質感、きび砂糖の優しい甘さ。

生産国: Honduras ( ホンジュラス )
生産者: Jose Benigno Dominguez ( ホセ・ベニーノ・ドミンゲス )
産地: Intibuca > Pozo Negro( インティブカ > ポソ ネグロ  )
農園: Los Cedros ( ロス・セドロス )
品種: IH-90
精製方法: Washed ( ウォッシュト )
標高: 1600 - 2000  masl
収穫時期: 2024

ホセのコーヒーへの情熱は、コーヒー農家の家庭に生まれた幼い頃から芽生えていたようです。12歳の時には、すでに自ら1600本のコーヒーの木を育て始めていたとのこと。両親がカンパナリオ、マサグアラへ移ることになり、ホセはコーヒー農園と家とを行き来しながら植物の世話を続けることになりました。そんな環境の中でも、彼は初めてのコーヒー収穫を経験し、その過程で情熱を見出して農園を拡大していったのです。25歳になったホセ・ベニーノは結婚し、妻と共にコーヒー農園の近くの山里に移り住みました。コーヒーを海外に輸出したいという夢を抱いていたホセは、インティブカのコーヒー買付業者との出会いによって、その夢を実現させることができたといいます。

現在、農園では約20人のスタッフがコーヒーチェリーの収穫に携わっています。収穫されたコーヒーは、環境に配慮された機械式のミルで加工されるとのこと。伝統的な方法で28時間から32時間かけて発酵タンクで発酵させ、その発酵時間は天候と気温によって調整しているそうです。その後、20日から25日かけて丁寧に乾燥工程が施されます。コーヒー生産の全工程には家族総出で取り組み、最高品質を保つための衛生管理にも細心の注意を払っているようです。
コーヒーの生豆を精製する最後の工程には、ドライミル(乾燥した生豆の殻を取り除く施設)が必要になります。しかし、規模の大きなミラー(製粉会社のような立場/パーチメントの除去を行うドライミルを運営する会社)は、小さなロットのためにミルを稼働させることはありません。ロットとは区画や品種、収穫日などで分類されたひとまとまりの生豆の集まりであり、小さなロットにミルを稼働させることはコスト高になってしまうからなのです。

こうした事情から、小規模農家はミルを稼働してもらうために大きなロットを作る必要があり、近隣の生産者の収穫分とミックスしてロットを形成します。このような構造が結果として生産者の匿名化を招き、品質がバラバラなまま他のコーヒーとブレンドされ、地域ブレンドなどが生み出されていくことになるのです。

品質の高いコーヒーの買付には、高いトレーサビリティ(生産者や産地を特定できること)が欠かせません。Nordic Approach(このコーヒーを仲介するエージェント)を通じて実施されているこの地域のプロジェクトでは、各生産者のコーヒーをロット分けして精製・ミルし、生産者が品質に応じてより高い価格へアクセスできる仕組みづくりを目指しています。私たちロースター(コーヒー焙煎業者)にとっても、生産者ごとに個性的で高品質なコーヒーとの出会いを可能にするWIN-WINな取り組みといえるでしょう。




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