AB Kaguyu
Flavor Profile :
Grapefruit, Apricot, Herb tea, Raw sugar.
グレープフルーツやアプリコットの果実味、ハーブティーのような華やかな香り、黒糖の甘い余韻。
生産国:Kenya ( ケニア )
精製所:Kaguyu Factory ( カグユ・ファクトリー)
生産者組合:Inoi Farmers Cooperative Society ( イノイ生産者組合 )
産地:Kirinyaga (キリニャガ)
品種:SL28, SL34, Ruiri 11, and Batian
精製方法:Washed
標高:1400 masl
収穫時期: 2024
このコーヒーは、イノイ農業協同組合が運営するカグユファクトリーで製造されています。
カグユ・コーヒーファクトリーは、キリニャガ郡イノイ北部のカグユ地区にあり、標高1400メートルに位置しています。キリニャガ郡はナイロビから北東に約192キロメートル離れており、有名なニエリ郡とエンブ郡に接しています。この地域はミネラル豊富な赤色火山性ローム土壌と、その土地特有の高地という環境を有しており、コーヒー栽培に最適な条件が整っています。
ファクトリー長のウィルソン・ワンジョヒ氏が、スタッフとともにカグユ・コーヒーファクトリーの運営を担当。コーヒーの計量、選別・格付け作業、農家への支払い、さらには農家からの要望対応まで、幅広い業務を管理しています。
AB Kaguyuは、フレッシュな柑橘のようなみずみずしい酸味を感じた後、アプリコットなどのストーンフルーツ、ほのかにベリーを思わせる風味に変わっていきます。鼻に抜ける香りは、乾燥させたベリーや花を混ぜたハーブティーのようで、甘く華やかです。中盤から余韻にかけて、濃厚で深い、黒糖のようなこっくりとした甘さが感じられます。風味が口いっぱいに広がる、柔らかな質感の鮮やかなコーヒーです。
ケニアのコーヒーの大半は、ウォッシュド精製という方法で加工されています。
収穫されたコーヒーチェリーは丁寧に手摘みし、そのままウェットミルまたはコレクションポイントへ運ばれます。そこで選別マットやテーブルの上で、未熟豆や傷んだチェリーを取り除き、重量を計測した後、ウォッシュド精製の工程に入ります。
まず、コーヒーチェリーを水槽に入れ、水に浮いてくる未熟なチェリーを除去します。その後、ディスクパルパーで果肉を取り除き、パーチメント(生豆を保護する膜)の状態にします。パルプを除去した後は、水選別を行い、密度が高く品質の良い豆を、軽くて品質の劣る豆から選り分けます。
次に、一晩かけて乾式発酵を行い、パーチメントの表面に付着した糖分(ミューシレージ)を分解して洗い流します。さらに水路での選別も行います。水路の底に沈む重い豆ほど、品質が高く甘みの強い豆とされています。その後、きれいな水に24時間浸漬させます。この工程によってタンパク質とアミノ酸が強化され、複雑な酸味と透明感のある味わいが生まれると言われています。
浸漬を終えたコーヒーは、アフリカンベッドとも呼ばれる高床式の乾燥台に広げられ、均一な乾燥を促すため、定期的にかき混ぜます。この際にも欠陥豆を見つけ次第、取り除いていきます。乾燥台での作業は気候や気温、処理量によって期間が変動し、目標とする含水率11-12%に達するまでに1〜3週間程度かかることもあります。
農家は通常、地域内に複数のファクトリーがあるため、チェリーの納入先を自由に選べます。ケニアの伝統的なオークションシステムでは品質が最重視され、高品質なコーヒーほど高値で取引されます。優れたコーヒーを生産するファクトリーは、マーケティングと準備にかかる費用を差し引いた後、売上の最大90%を第2回目の支払いとして受け取れるため、より多くの農家から支持を集めています。
ケニアのシステムの特徴として、透明性の高さが挙げられます。すべてのロットは小規模に分けられ、それぞれ明確な格付けがなされています。農家は加工費用を差し引いた後、売上のうちどれだけが協同組合に還元されるのかを正確に把握できます。多くの協同組合やファクトリーは農家への還元率を競い合っており、中には売上の最大90%を還元できる施設もあります。"